思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『二重生活』折原一&新津きよみ
☆☆☆☆

叙述トリックがあるとバレていながら、なおかつ驚かせる。読者の斜め上をいく、というのあい変わらず凄いなぁ…。
だいたい、ある殺人事件のシーン、脅迫者のシーン、私立探偵局の浮気調査のシーン、調査を依頼した人物のしーん、その夫のシーン、その夫の浮気相手である看護学校性のシーン、などが併置される。疑いながら読んでも、それらが同時期の出来事としか思えないのだが、それでも意外な時系列的と人間関係の組み合わせが待っている。
中絶などが描かれることもあり、てっきりプロットが折原一、執筆が新津きよみかと思いきや、共同プロット、交互執筆(3割は折原一が書いている)だったそう。

二重生活 (光文社文庫)二重生活 (光文社文庫)
折原 一 新津 きよみ

光文社 2016-01-08