思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『空母いぶき(5)』
☆☆☆☆★

ますます緊迫する戦場。奪還作戦は、露払いとして、航空優勢を確保するための空戦、艦対艦戦闘。
中国軍艦にミサイルを当てる事は簡単だが、敢えて主砲で狙撃(とは言わないのか)するなど、小さなドンデン返しも、ドラマとしても戦術としても上手い。
空挺部隊の侵入作戦も、闇からぬっと出てくる場面では、目だけが光っているなど、描写(演出)としても凄みがある。これはヘタすると敵側の演出だろう。
重ね重ね強調されるのは、人の死の重さだ。それは自衛官だけでなく、中国兵でも変わらない。
ただし、唯一にして小さな惜しい点は、兵器描写が『沈黙の艦隊』や『ジパング』より下手になっていること。パネルラインの省略加減とか、些細なことだが。

空母いぶき 5 (ビッグ コミックス) (ビッグコミックス)空母いぶき 5 (ビッグ コミックス) (ビッグコミックス)
かわぐち かいじ 惠谷 治

小学館 2016-10-28