『アガサ・クリスティー賞殺人事件』
☆☆☆★
松尾芭蕉を彷彿させる、東北旅行中に起きる殺人事件を、夢の中で連作で解決しながら、最後の短編だけは唐突にアガサ・クリスティー賞授賞式のパーティー会場が舞台で、色んな意味で浮いている。
『柔らかな密室』☆☆☆
恐山を舞台にした意味がほとんどないのが問題だが、テントというタイトル通り柔らかいものを密室にしたのは変わっている。ただし、トリック自体は比較的簡単に推理できるレベル。
『炎の誘惑』☆☆☆
『蛇と雪』☆☆☆
『首なし地蔵と首なし死体』☆☆☆
『アガサ・クリスティー賞殺人事件』☆☆☆
この短編だけが作者の一人称ではない、というのも、最初違和感を覚えるが、これにはいちおうの理由があると分かる。『ウロボロスの偽書』のような実在の関係者が次々登場する趣向も、それほど成功しているようには思えないが…。
アガサ・クリスティー賞殺人事件 三沢 陽一 早川書房 2014-09-25 |