思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『致死量未満の殺人』
☆☆☆★

典型的な雪の山荘で起こった毒殺事件。
なぜ、フーダニットの典型的な事件を、時効前の犯人の回顧告白、という倒叙スタイルにしたのか?と思いながら読むと、ラストには創元社ミステリーばりのツイストが。
そこで応募時のタイトル『コンダクターを撃て』の意味が明らかになるが、音楽ミステリーでもないのにこのタイトルでは、ちょっとネタバレ気味かも。ただし、現タイトルもあまりセンスが良いとは言えないが…。ちょっと女流ミステリーっぽいタイトル(クリスティー賞とかけて、というのは考えすぎか)。

致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)
三沢 陽一

早川書房 2015-09-17