鴨崎暖炉
☆☆☆
宝島社文庫
密室殺人が証明されれば無罪、という世界で起こった雪の山荘での
連続殺人事件。という設定は面白そうで読んだのだが、読み進める内に違和感が膨らむ。
キャラの会話は妙に軽いし、密室トリックは、物理というか機械トリック系で、リアリティは低い。本格というよりも、北山猛邦か清涼院流水、いやもうラノベミステリーと言っても過言ではあるまい。
よくいえば『紅蓮館の殺人』に近いメタっぽさはある。
主人公は、ラノベの主人公みたいな男たちと、幼なじみと中学の同級生の二人で、片方は密室殺人の容疑者でなおかつ探偵、後者はヤンデレというのもラノベ的な(´Д｀)
ラノベ好きにはオススメできるが、本格好きにはオススメしかねる。
なお、本格ミステリ的に気になったのは「ジャム瓶」に関して。ラベルも何も貼っていないのに、なんでジャムの瓶だと断定できるんだよ？！ 読み進めていると、食堂でジャムの入った瓶というのが出てくるが、同じ形の瓶だからってジャムが入っているとは限らないでしょ？ それとも瓶の形状的に「ジャム瓶」という形に定義分類されているのか？？（ちなみに２０センチ四方くらいのサイズらしい）
