思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『水木版 妖怪大戦争』原作:荒俣宏/マンガ:水木しげる
☆☆☆★

ジュヴナイルとしては必要十分な面白さ。ストーリーは『映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン』や京極夏彦の長編とほとんど同じ。もちろん、順番はこちらが先だろう。
絵柄としては、トーンを一切使っていないのが凄い。
妖怪的には、水木妖怪と古典妖怪と違うのが気になった。要するに、水木キャラとして咀嚼されていないのだ。その意味では、魔人加藤も浮いてたなあ……。この加藤って『帝都大戦』と同一人物?
アクションは、昔ながらの動作。色んな意味で懐かしくも微笑ましい。132ページ右下の着地での身体全体の曲線が美しい。
顔もマンガ顔だが、水木キャラの眉毛だけは、自在にウネウネ渦巻きすることに、どういう感情を意味しているのか解読できなかった。
作画的には動くブロンズ像の点描が、ほとんどコピー? というくらいに凄まじい。

水木版妖怪大戦争 (Kwai books)水木版妖怪大戦争 (Kwai books)
水木 しげる

角川書店 2005-08-05