思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『波上館の犯罪』倉坂鬼一郎
☆☆★

まえがきに「究極の作品」とあるので、久々に買って読んでみた。
バカミス/仕掛け本であることは明示されているも同然なので、ネタバレではなかろう。今回の仕掛けは10ページくらいで分かった。
ただ、全ての「文」(行ではなく)が伏線、という記述と、数字錠というキーワード(ヒント)が何回か出てきたので、究極というからには3つくらいの仕掛けが重なった某作品並みにもっと他にもあるだろうと、文章を読みながら、文章構成そのものを追っていたのでえらく手間取った。
今回の仕掛けのために、文章が小学校低学年レベルにまで出している(人称の不統一、代名詞の使い方、同じ言葉の多用)のも、キツイ。短編ならいいのだが…。
全ての文章が伏線、というなら、一つの文章の中で使われている単語が必ず一つは次の文章にも入っている、とか、波丘駿一郎の名前が全ページに出てくる?とか、探してしまったのだが…(^_^;)さすがに無茶か。