思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ガンダムX

DVD-BOX発売記念、全話レビュー、行きま〜〜す!

第1話「月は出ているか?」

まずはスタッフクレジットが流れつつ始まるアヴァン・タイトル。15年前の戦争で描かれるのはコロニー落とし作戦と、“決戦兵器”ガンダム。超兵器・サテライト・キャノンがすでに描かれていることに注目である。ジオング的なセプテムとGXとのバトルでは、ビームライフルを喰らったセプテムが爆発間際に放った(腕が胴体から離れてから発射されるあたりがニクイ)メガ粒子砲が、ガンダムの頭部を砕くなど、あきらかに初代ガンダムの対ジオング戦のオマージュである。しかも初代では1基だったのが、「GX」では雨のようにいくつものコロニーが突き刺さる!ありえねー!、でもそのインパクトと、地球全土が荒廃するためにはそれくらい必要かも、という説得力もある。

歴代ガンダムの中ではかなり地味(作画枚数も少ない)オープニングだが、曲はかなりいい。最後に銀河に突っ込んで星屑が散るあたりは「Z」のオマージュか。

本編開始。いきなりインチキニュータイプが登場。これが最終回にも出てくる、という構成が泣かせる…!しかも一見MSの攻撃で死亡したように錯覚するのを逆手にとってるし。

野盗の武器として使われているMSだが、いくら1機とはいえ、それをあっさりと閃光弾と拳銃だけで武装解除するガロード。その手際の良さで、MSパイロットとしての技量も優れていることが伝わる、すぐれた演出だ。「いわゆるホールドアップ、てヤツ?」など、名ゼリフも。「GX」は名ゼリフが満載だ。

ガロードは謎の男からティファをバルチャーから奪還するように依頼される。そしてフリーデンに潜入してティファを探す途中で行きがけの駄賃として船長室に忍び込み、MS起動キーを金庫から盗む。ヒーローとヒロインの出会いから主役機への登場まで、じつに無駄のない構成になっていることに感心。まあいくら連邦のMS工場跡とはいえ、GXが裸で置いてあるのはちょっとどうかと思うが…。

GXに乗って持ち前のMS操縦テクニックでドートレスを一蹴するも、フリーデンとそのMS隊(=ガンダム)が到着する。そこでGXを目にした(15年前の戦争で乗っていたことが分かるのはまだ先)ジャミルが言う台詞が「月は出ているか?」だ。

この1話にはガロード高木渉、ティファ=かないみか、高松監督のオーディオ・コメンタリーがある。内容は酒飲み話から、秘話まで幅広いが、たとえ無駄話であっても懐かしいキャストの対談を聞けるのはファンにとっては嬉しいもの。秘話といえる話題の中でも、Gコンについての裏設定は本編とも絡んでくる重要なもの。無口なティファのイメージだと、元気なかないみかさんの喋りは違和感があったのだが、すぐ馴れてしまった(^^;)