思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

原子力潜水艦浮上せず

☆☆☆★

名前は聞いたことがあるから名作なんだろうし、「潜水艦ものに外れなし」ということで観た。これがまた、『Uボート』以上に古くさい画質。フィルムの保存状態のせいか、実際に古いのか。調べてないので不明だが。
序盤はちょっともったりしている(後述する、オールスター顔見せのためか?)し、潜水艦内も、ブリッジ(司令室?)以外の通路とかはなんか客船内部みたいだし。原子炉も出てこない。セリフがないと、原潜だとは分からないくらい。
なんで事故ったのか忘れた(^^;)が、そこからはサスペンスが出てくる。
オールスター映画らしく、当時の人は、スターの共演だけで楽しめたのかも。私的には、艦長が、どこかで見たような気がするのと、地上にいる参謀みたいな役で、クリストファー・リーブが出ていたことくらいしか知ってる人はいなかったけど。
ミリオタ的には、洋上の場面では、実在の艦船が出てくるので、そこは見どころかも。DSRVとかね。
ただ、海中はミニチュアで、そのクオリティも『日本沈没』とあまり変わらないかも(本作のほうが古そうだけど)。
脚本じたいは悪くないので、現在の撮影と演出でリメイクすれば、結構面白い映画になるのでは。

以下ネタバレ

事故が発生してからは『潜水艦クルスクの生存者たち』と似たような展開だが、最も違うのが、DSRVが出動するための情報収集として、深海作業艇が潜水艦の位置や、船体の角度を調査すること。映画として、サブプロットで尺を稼ごうとしたのか、そのほうがリアルなのかはよく分からないが、少なくとも説得力はある。
それだけでなく、クライマックスで、土砂崩れによって海溝に落ちようとする潜水艦を、自らが楔となって、乗員脱出の時間を稼ぐ自己犠牲だ。このへんは、特に邦画とかなら思いっきりタメて泣かせそうなのに、本作はパイロットも映さないドライさが潔い。