思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

犬鳴村 恐怖回避バージョン

☆☆★

MAD的に作られるのならともかく、公式でやってしまった、というのが凄い。
怖い映画が苦手な人にも観てほしい、というのが執念なのか、ネタとして作る精神と時間的な余裕ゆえなのか・・・。
ホラー映画の画面的に怖い部分を、おちょくるようなスーパー(テロップ)や珍妙なBGM、効果音を入れて作られており、確かに怖くない。もちろんその効果に大小はある。高島礼子が犬に取り憑かれているようなところは、そもそも笑えるシーンの裏返しでもあるので、ノー処理。
逆に、幽霊の群衆が出てくる関連のシーンでは、見事に怖さを消すことに成功している。
また、ホラー演出の初歩である、びっくり演出についても、「○○まで何秒」と出してくれるので、ちゃんと心の準備ができるのもありがたい。

ただ、映画として、一度見ていると、俳優の魅力(個人的な好き嫌い)や、画面設計などに、再見するだけの魅力がなかったので、ツラかった。
最後まで見通したのは、全シーンについてどんな仕掛け(処理)を施したのか、確認したかっただけ、という感じ。

2020年 日本