思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ


☆☆★

画面(撮影/照明)の派手さからして、おそらくアメリカのテレビ映画だろう。
簡単に言えば、10年くらい行方不明の弟が、姉がレトロゲームセンターを開くために集めたゲーム機の中に閉じ込められていた。電源を入れたら、ゲーム世界に取り込まれ、主人公たち女3人組が、弟と一緒に、ゲーム世界から帰還するためのバトルを描いたのがこの映画だ。
誰も知らない俳優で、CGも、バトルもチープ。はっきり言って画面的には 『勇者ヨシヒコ』と大差ない。ほぼZ級の、完全な観る価値なし映画……でも語るべき点がゼロ、というわけではなかった。終盤に、ラスボス(原語ではスーパーボス)の過去や、ミッションクリアに失敗すると、ゲーム世界に閉じ込められて記憶も薄れてゆく、ということを説明してくれる役割の、自らも記憶が消えかけている登場人物が出てくる。普通なら、キチガイ老人、という役回りなのだが、これが本作では東洋系の若い女性なのだ。彼女だけが、泥だらけのメイクで、演技も狂気を感じさせる熱演で、印象に残った。主役の3人は、ゲーム世界のサバイバル状態でも、最初から最後まで全く汚れがつかないのに(このへんは、ダメ映画の見分け方/必要条件、というより十分条件だろう)。
あとは、エンドロールが、文字がドット風なのはありがちだとしても、音楽まで当時の(というには、弟がゲームに吸い込まれたのが21世紀なので、その時点でレトロゲーム好き、という変わり者)ビープ音、というのは凝っていて良かった。