思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

宇宙人王さんとの遭遇
☆☆☆☆
イタリア映画。
地位がよく分からないが、駆け出しくらいらしい若手のイタリア人女性中国語翻訳家が、と仕事関係者から回された、謎の組織での通訳を頼まれる。
その相手は、組織が捕らえた、中国語を話す宇宙人(王さんと呼ばれる)だった。
予算といえば、着ぐるみだかCGだか分からないような宇宙人だけで、舞台もほぼその建物内のみの低予算。
さて宇宙人の正体と目的は? という内容。
いわゆるグレイとか、エイリアン的なビジュアルのイカ人間(『スター・ウォーズ』のキット・フィストーみたい)ながら、人間そっくりに喜怒哀楽を表現する宇宙人は、都合良すぎだと思いつつ、全人口の中で、中国人が最も多いから、中国語を学んで話す、という設定が面白い(その割りにはなぜヨーロッパ? というツッコミは置いといて)。
SF映画ファンも、そうでない人も、主人公フランチェスカ・クティカがいろんな意味で美しいので、それを拝むだけの意味でも、最後まで見て欲しい作品。


以下、ネタバレ。


宇宙人の尋問(拷問)だけで1本作ってしまおう、というアイデアが面白い低予算作品だなぁ…。要するに『E.T.』の遭遇から逃亡劇を一切無くして、すぐに捕まっていたらどうなっていたか、だけでできたような作品。
ラストでは『E.T.』とか『未知との遭遇』みたいに宇宙船がやってきて終わり、だと思いつつも、ヨーロッパ映画だから、実は皮肉なラストも期待していたら…。
なんと、期待通り、組織の危機感が正しく、宇宙人の無害性アピールに完全に騙されて主人公が間違っていた。ラストでは宇宙人の円盤(何のひねりもないのが笑える)が、地球を滅亡させる。宇宙人が主人公に放つ「お前馬鹿だな」が痛快。
ひねくれたSFファンなら楽しめる一作。そういうラストのオチだけでなく、見ている間もヒロインの顔を愛でられるし。

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アメイジングD.C. 2013-01-08


サボテンの花
☆☆☆
恋愛コメディもの。
ヒロインの目がめちゃくちゃ大きく、まるで少女漫画みたい。
50代で独身貴族の歯医者が、遊びで付き合っていた20代の女が自殺未遂。それをきっかけに、結婚を決意するが、今まで付いていたウソを、ウソで塗り重ねたため、周りに人間まで巻き込んで、わやくちゃに…。
はっきり言って自分勝手でいけ好かない(ある意味でリア充?)主人公に、共感できないし、結局は誰もが付き合う相手を変えて丸く収まってしまうラストには、都合良すぎとしか思えない。
恋愛映画好きなら楽しめるんだろうな〜(´д`)

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Happinet(SB)(D) 2016-08-02