思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

逆説の日本史25

井沢元彦
☆☆☆☆
小学館

明治天皇がロシア人に襲われたら、たとえ殺害に至らなくても「ロシア討つべし」と津田は主張しただろう。」
なんかNHKや同じ雑誌相手など、時事ネタが多い気がするが(^^;) ロシアの脅威とは何か? また何故ロシアが江戸時代の対日友好路線から侵略路線に変わったのか、もよく分かった。

「「アムール川の流血」(略)犠牲者の数は数千人から最大2万5千人程度とみられる。犠牲者数がはっきりしないのは、ロシア軍が虐殺された清国人の遺体を(略)すべてアムール川に放り込んだからでもある。(略)人間が死んで遺体となって発するう腐臭は、おそらく人類が感じる中でもっとも不快で耐え難いものだろう。」

「イギリスはこれまで(略)他国との軍事同盟には消極的だった。そんなことをしなくても大英帝国は独立してやっていける、というプライドあってのことだ。しかしボーア戦争にはほとほと手を焼き、その結果アジアをロシアの思いどおりにさせてしまった。(略)このままほうっておけばロシアは大英帝国にとってきわめて危険なライバルに成長し、アジアの利権、特に中国に対する権益がすべて奪われかねない。