思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

♯アニメ ガメラ リバース


ガメラ リバース
☆☆☆★

NHKの12回テレビアニメとして観たが、元はネットフリックスの6話構成のドラマ。
フルCGアニメということで、結構は『ゴジラSP』と同じ……なのだが、人間のレンダリング、というよりモデリングのチープさは酷い。教育テレビの子供向けCGのよう雑さなのだ。とても金を注ぎ込んでいるネットフリックスとは思えない。20年くらい前のレベルである。
だが、こと怪獣が出てくる、いわゆる特撮シーンになると、『ゴジラSP』にも勝るとも劣らないレンダリングとアクションになる。言ってしまえば、特撮カットに全力(手間と時間とカネ)を投入(全振り)したアニメと言える。そう分かれば、割り切って見られるし、なまじキャラが良くても、怪獣がショボいと観る気がなくなるので、もし予算がそれほどなかったのだとしたら、これは英断と言える。
怪獣が出てくるシーンは、平成ガメラや50周年記念ショートムービーの延長上にある、動きもデザインもエフェクトも、これらの作品を楽しんだ人も満足いくレベル。設定やアクションも、『平成ガメラ』がベースでありつつ、昭和ガメラの敵怪獣をアップデートして出すところがうまい、特に、ガメラの場合は、元(昭和ガメラの敵怪獣)が酷いだけに、リファインの効果が大きい。
唯一というか、よくわからなかったのが、世界設定。米軍が日本全国に駐留していて、自衛隊の上位に位置する、現代韓国軍みたいな状態であること。モニターはブラウン管だし、戦車は七四式、米軍の戦闘機はイーグルだし。昭和ガメラだから、昭和ってことなのかなぁ……。その割には、月に基地があったり、21世紀っぽいところもある。普通に現代か、昭和の昔のどちらかにすれば良かったのに、なんでこんなねじれた舞台設定にしたんだろうか。

以下ネタバレ

物語としては、昭和ガメラの、子供の見方というところに、『小さき勇者たち』での、「助けた亀に」を加えて、平成ガメラでの裏設定的な古代文明生物兵器という点を全面押し出した、という感じ。
子供に反応するので、主人公たちが命知らずな行動を取っても死なないので、天邪鬼なリアリストとしては、フラストレーションが溜まった(だから昭和ガメラは嫌いなのだ)。
過去のガメラをオマージュしているだけに、右手が切られると、クライマックスはバニシング・フィストだろうと確信していたのだが、違った。右手は切れたままだったが、飛行形態になると翼が生えてきて、立ち姿になるとまたなくなるのはいかがなものか。『ガメラ2』設定だと、肘から、飛行機のフラッペロンよろしくスライドするので、片翼になるはずなのだが……。
あと、ラストに、まさかとは思ったが、月に向かってレーザーを吐くという、『ゴジラ ファイナルウォーズ』と『シン・ゴジラ』を合わせたようなトンデモ技を繰り出すとは、良くも悪くも驚いた(@_@)