思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

吸血姫美夕 朔(6)

垣野内成美
☆☆☆★
秋田書店

前巻でテレビシリーズのキャラ・千里が出てきたので、彼女と美夕の確執が描かれるのかと思いきや、それはさわり程度。
(通りを歩いている時点で違うのは分かってるけど、ビジュアル的に)座敷童子みたいな妖怪。その実体は神魔の長の不完全形態というややこしさ(^^;)
トンビと鳥神魔、レイと陰陽一族に西洋神魔、そして吸血鬼と監視者など、とにかく要素が多くて頭が混乱する。ある意味、妖魔大戦争的なオールスターを狙ってる?
弓道の彼女たちの祖先が美夕の父親なの?
それとも『吸血姫(ヴァンパイア・プリンセス)』シリーズの設定を導入したのか? とにかくややこしい。
千里と兄の関係は夕維とナギを連想させる、というより、垣野内作品においては、少女と、それを守る兄的存在、というのがライフワークなのか?

特に前半は設定的にビンビンくるものがあったが、ビジュアル的には、美夕の人間と監視者を背中合わせで描いたコマに驚いた。普通ならポーズは対照的にするところを、なんと監視者衣装では、爪先立ちなので、頭の位置が違うのだ! やっぱり天才!
キャラとしては、美夕のお母さん(美月という名前だと判明)も2コマほど耽溺すべきカットが。そもそも美夕のお母さん、ダリア(ザ・ヴァンパイア)っぽいよね(あちらも大好きなキャラ)。
そうそう、感想を書いている今気づいたが、お父さんのほうの名前は「勇」で、二人合わせて「美勇→みゆう→美夕」になるんやね。