思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

死亡フラグが立ちました』
☆☆☆★

タイトルからは内容が推し量れない(バカミスであろうことは分かる)が、どんな話なのか?
冴えないライターが、「事故に見せかけた殺人を請け負う『死神』」の正体を突き止めなければクビだと告げられ、命懸けの取材を行う。
政治汚職、ヤクザ、一家皆殺し、近親相姦、芸能界、刑事ドラマ、火事など、盛りだくさん、サービス精神旺盛というか、節操もなくというか……。
ターゲットの行動パターンを徹底的に調べ上げ、事故に見せかけて死ぬようなトラップ、プロパビリティの殺人を狙う、というのが面白い。
解説のみならず、作中でも挙げられている『ファイナル・デスティネーション』の姿形なき運命という名の死神を人間がやったらこうなる、というテイスト。まあ、『ジョジョ』のようなマンガでよくある「それも読んでいたぜ」を殺人トラップにしただけ、と言えなくもないが……。
本格というより、ハードボイルド・サスペンス。いわゆる真犯人=死神は簡単に予想できるが、連載マンガのように、読んでいる途中がハラハラできれば充分じゃないか、というタイプの広義のミステリーである。
凶器がバナナの皮だとか、ビール瓶でどついて気絶させるとか、ギャグマンガ向きの原作。本格度の薄い霞流一みたいなテイスト。