前向性健忘の主人公をテーマにしたミステリーといえば、『昨日を忘れた明日の僕へ』が真っ先に思い浮かぶが、本作も基本的にはほとんど同じ。
ただし、いきなり「今、自分は殺人鬼と戦っている」と来た。序盤も終わる当たりで明らかになるが、この殺人鬼、触れた相手の記憶を操ることができる超能力者。
本作は、特殊な設定を２つも導入したSFミステリなのだ。
殺人鬼視点と主人公視点が交互に描かれ､ そこからは、『デスノート』ばりの命懸けのサスペンス。
それだけでなく、ラストには、本格ファンもニヤリとさせられるオチも用意されている。私的には山風の某作品を連想した。
しかし、てっきり主人公は○○かと思ったのだが、ラストを見る限り、そうではなかったらしい。
