思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『遺品』
☆☆

裏表紙アオリには「ホラー」とあるが、『霧越邸事件』のようなミステリーとのハイブリッドかと期待して読んでみた。
一人称の主人公の名前が地の文でも、会話中にも出てこない不自然な構成なので、折原一ばりに叙述トリックがあると期待したのに、何もないとは何事か?!
まあ、逆にこれがドンデン返し(あくまでもホラーなので、ミステリー的なトリックがあると期待させて、ない)と言えなくもない。夏目雅子を連想させなくもない夭折の女優・繭子と血縁関係がある名前だと思ったのに…(´Д`)
そういう思わせぶりな展開を除けば、死者の書いた小説(本作では戯曲の原稿)の通り事件が起きる、その幽霊らしき影が目撃される、というのはホラー(サスペンス)の定番の展開である。

以下ネタバレ

繭子のパトロンだった会長の女装が幽霊と不可思議現象の正体、というのがミステリー的なオチ。それだけでなく、主人公が繭子に似て来たり、館(旅館)から出られない、という超自然現象もあり。

遺品 (光文社文庫)遺品 (光文社文庫)
若竹 七海

光文社 2010-08-10

アーマーモデリング 2012年 12月号』
☆☆☆★
「新世紀メモリアルキット」特集。解説されるまでもなく分かるように、新世紀に入ると、「まさかあれがプラキット化されるなんて?!」とか「定番でもない機体が複数社からバッティング」なんて事態が頻出するようになった。そんな中でも、メルクマールとなるようなキットを挙げてもらっている。
これはアンケートとか、編集部調べではなく、編者を指名して紹介してもらう、という形式。執筆者名が小さいので、その辺の趣向がちょっとわかりにくい。紹介者とそのプラモを製作した人も別。これこそ、『ホビージャパン エクストラ』のように、ランナー状態または素組みでも良かったのに。
この企画の趣旨から、真っ先に思い浮かぶのが、モノクロページの2ページ分。8つのコラムでそんな新世紀の潮流を概観している。カラーページの新規参入メーカーの紹介も同様。
そんな中に紛れ込んでいるのが、岡プロの現用車両製作講座。自衛隊軽装甲機動車だ。
陸自ウォッチングコーナーでは、戦車回収車による90式のパワーパック交換が興味深い。

Armour Modelling (アーマーモデリング) 2012年 12月号 [雑誌]Armour Modelling (アーマーモデリング) 2012年 12月号 [雑誌]

大日本絵画 2012-11-13

『スケールアヴィエーション 2016年 07 月号』
☆☆☆☆
ガダルカナル航空戦特集。要するに日本の水上機特集だ。考えたら、航空戦なのに、敵機がひとつも出てこないのに今気づいた。
まずは零戦の色である濃緑色の表紙デザインが素晴らしい。
その表紙に使われている田宮32ベースの零戦水上機タイプの筆塗りによるハゲチョロが圧巻。
変化球として、水上機母艦という艦船模型もあり。小学生が考えたような巡洋艦と補給艦とカタパルトがキメラ的に合体したもの。
凄いのが、水没した零戦の海中ディオラマ。その透明感、熱帯魚が泳ぐ、超絶技巧の作品だ。
久々のローガン大名モデリングもあり。フィギュアの顔を墨入れで済ませる方法が参考になる。
松本州平の大型水上機も格好良い。ハゲチョロがただの点々なのが致命的に残念だが…。

Scale Aviation(スケールアヴィエーション) 2016年 07 月号 [雑誌]Scale Aviation(スケールアヴィエーション) 2016年 07 月号 [雑誌]

大日本絵画 2016-06-13


ガンプラ塗装の理論と実践」本誌史上でも指折りの名特集。伝説の『センチネル』を通して確立されたそのスキームを、完全公開している。
『配色事典』的な基礎知識から、配色の実例、カラーリング正常化の実践編など。具体的に、ガンダムトリコロールのカラーレシピまで完全公開。さらにはメインともいえる、『センチネル』ディレクターあさのまさひこを中心にした座談会で、考え方や裏事情まで丸分かり。
さらにさらに、これまた当時の伝説的作例・九龍ニューガンダムの再録とリスペクトカラーバリエーションまで。

Model Graphix (モデルグラフィックス) 2011年 07月号 [雑誌]Model Graphix (モデルグラフィックス) 2011年 07月号 [雑誌]

大日本絵画 2011-05-25

ガンプラ塗装の理論と実践」座談会後編。マーキング編。
ガンプラ作例も意外と豊富で、『エンドレスワルツ』からデスサイズ、シェンロン、そしてRGストライクが。
本号のメイン特集である第七艦隊の方は、完成写真のみで、製作記事が極小の文字のみ、というのが残念。海軍系ミリタリー雑誌、というなら分かるが。ただし、ブルーリッジとか、珍しい艦船など、総合的な内容自体は非常に濃い。

Model Graphix (モデルグラフィックス) 2011年 04月号 [雑誌]Model Graphix (モデルグラフィックス) 2011年 04月号 [雑誌]

大日本絵画 2011-02-25