『モデルグラフィクス』
☆☆☆☆☆
「ガンプラ塗装の理論と実践」本誌史上でも指折りの名特集。伝説の『センチネル』を通して確立されたそのスキームを、完全公開している。
『配色事典』的な基礎知識から、配色の実例、カラーリング正常化の実践編など。具体的に、ガンダムのトリコロールのカラーレシピまで完全公開。さらにはメインともいえる、『センチネル』ディレクターあさのまさひこを中心にした座談会で、考え方や裏事情まで丸分かり。
さらにさらに、これまた当時の伝説的作例・九龍ニューガンダムの再録とリスペクトカラーバリエーションまで。
『モデルグラフィクス』
☆☆☆☆★
「ガンプラ塗装の理論と実践」座談会後編。
マーキング編。
『紙魚の家』マーク・Z・ダニエレブスニキー著/嶋田洋一
ソニーマガジンズ
☆★
実験小説。『湮滅』とか『ゴーレム100』のような、タイポグラフィーを自由奔放に駆使した作品が好きな人にはオススメ。本も大きければ厚みもある。
註釈しかないページはあるわ、読点「。」しかないページまである。
巻末のほうには、引用したかったが、しなかったメモみたいなものもある。イラストもある。
複合的なスタイルでテーマを語る手法は傑作アメコミ『ウォッチメン』を連想させなくもない。
基本的なストーリーは、ある人物が残した映画を追う、ルポタージュまたは取材メモ、あるいはノンフィクションのような体裁。
ただし、下手すると本文より文字数が多い(文字級数が小さいので)註釈とか、全部すっ飛ばしてターボ読みしたので、細部や、註釈によるドンデン返しなどの多層構造は(あったとしても)分からない。
殺人でもSFでも哲学でもないので、メインストーリーに乗れなかったのが原因だが。もちろん分厚すぎるのと。