思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『バスタード!(22)』
☆☆☆
完全にアニメ系絵に以降。衣谷遊とか寺田克之の影響も。そういうパロディ的要素と、異常な描き込みの背景とエフェクトが乖離しているような…。ストーリーも、あってないようなもの。正確には、設定とかいろいろ書いているが、進行が遅すぎることもあってどうでもいいことに。その設定には、内容と説明の仕方にSFっぽさが急速に増しているが、これとて…。
そもそもヨーコさんって死んでたっけ?(@_@)

BASTARD!! 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)BASTARD!! 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)
萩原一至

集英社 2001-06-04


『オペレーション・ローズダスト(下)』
☆☆☆☆
雑誌連載時には最終章がなかった、というのに驚いた。あまりに長すぎるから打ち切られた?『パトレイバー2』をベースに、富野風味をまぶした感じ。同じ謀略小説でも、逢坂剛とか楡周平よりもオタクっぽさが各所に覗くのだ(そもそもタイトルだって『ガンダム0083』のパクりでは?)
クライマックスであるお台場の連続爆弾テロも、三回目あたりから「まだ続くんかい…(´Д`)」と思ってしまう。そう思うと、『パトレイバー2』で、状況開始からすぐに沈静化したのは的確な構成なのかも。
テロ犯人側も含めて、いろいろな視点から書かれているのが長大化の原因だが、現代日本でテロを起こすような連中はどういう人物なのか?を納得させるには必要なことだろう。
だが、出てくるのは現場の直属の管理職ばかり、最高で警察の警備課長なのだ。このへんも『パトレイバー2』と全く同じ。ここまでやって、なぜ首相が出てこないのかと思う。官房長官は出てくるけど(そう言えば平成ガメラも同じか?)。
お台場壊滅も、そもそもが最近の埋め立て地だから、なくなっても愛着がない。お台場に暮らす人の日常が描かれていないという小説的不備なのか、より、日本を象徴する場所にすべきだつたのか…。
何より、右翼テロリストを象徴する言葉がローズダストって、日本語じゃなく英語にしたところに福井氏の限界があると思える。ま、思想小説じゃなくエンタメなので、売るためにはこれが正解かもしれない。
ちなみに政治、思想、経済的な記述に、明らかにリベラル的な誤りも、保守的な間違いもなかった。ま、無難なところで止めておいたんだろうけど…。
私の記憶が確かなら、これは映画原作だと思うけど、テロリストの叙情的なところをクローズアップしたイマイチなできであろうことが容易に想像できる。

Op.ローズダスト(下)Op.ローズダスト(下)
福井 晴敏

文藝春秋 2006-03-14


ゼロ・ダーク・サーティ
☆☆☆

予備知識ゼロで、どうせB級映画かと思ってた。最初は中東の捕虜拷問での情報収集活動でギョッとさせられ、次第にアメリカのビン・ラディン暗殺事件を扱った、本格派作品だと分かる。
いかにイスラム過激派の自爆テロが恐ろしいかが分かる。
タイトルの意味は、字幕版なら分かったのかもしれないが、少なくとも吹き替え版からは分からなかった。後で「夜の零時三十分」の軍隊用語だと知った。それはビン・ラディン暗殺の時刻であった。
一人称視点ではないが、CIAの若手女性エージェントの視点で物語は進む。ラスト、ビン・ラディン暗殺の特殊部隊の作戦がスタートすると、(ここからリアルタイムで進行するとは、町山解説を聞くまで分からなかった)主人公のカットはたまに挿入されるだけ。そりゃあ、視聴者は突入の内部事情を知りたいから、というのは分かる。が、これまで諜報活動の地道さ、ダークさを描いて来たんだから、ここはただじっと待つだけにして欲しかった。
本作で特徴的なのは、憎いビン・ラディンを殺して復讐を果たしたのに、誰も快哉を叫ばず、沈鬱な表情なこと。
これは9.11テロの悲惨さを描いていないから。そういう狙いで、アメリカの国際法を二重に無視したリンチを自己弁護するための(口悪く言えばプロパガンダ)映画だからの演出なのだろう。

ゼロ・ダーク・サーティ スペシャル・プライス [Blu-ray]ゼロ・ダーク・サーティ スペシャル・プライス [Blu-ray]

Happinet(SB)(D) 2014-06-03


アーマーモデリング 奥深き単色迷彩の世界』
☆☆☆

メインは吉岡氏によるシャーマンを例にしたカラーモジュレーションだが、私が注目したのはマルケン塗り。何回か取り上げられているが、工程ではなく塗り方(平筆で一面さっと)まで解説してあるのは初めてでは?

Armour Modelling (アーマーモデリング) 2014年 08月号 [雑誌]Armour Modelling (アーマーモデリング) 2014年 08月号 [雑誌]
大日本絵画

大日本絵画 2014-07-11