思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『自由をいかに守るか ハイエクを読み直す』渡部昇一
☆☆☆☆
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第二次大戦中に、イギリスの学者ハイエクによって書かれた『隷属への道』を読み解く。
まだソ連邦や中国がなかったためか、ナチス社会主義的政策がいかに危険なものか、翻って、自由がいかに重要かが強調されている。
「アクトンの言葉が引用されています。
「自由と民主主義を並べるけれども、どちらが重要かといえば、間違いなく自由のほうが重要です」(略)極端なことをいえば、民主主義でなくても自由があればいい(略)ここではアクトンの言葉が引用されています。
「自由はより高い政治目的の手段ではない。自由はそれ自体が最高の政治目的である」」
全体主義が社会を制圧しようとするならば、最大数の人を一致させる必要があるわけですが、そこでは道徳性や知性の一番低い部分を分母にすることがポイントになり」
「道徳というのは個人的なものであり、自分の痛みを伴うものだということです。だから、「貧しい人に予算をつけなさい」といっている人が税金を納めていなかったら博愛的ではない。自分の懐からお金を出して施すのであれば博愛です。(略)自分の腹が痛まないところで福祉予算を多くするといっていい気分になる人が多すぎます。」