思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『悪の民主主義』小室直樹
☆☆☆☆
青春出版社
「政党は、選挙公約を守らなければならない。また、主要綱領は、国民の同意(選挙)なくして変更することはできない。(略)この大原則が破られたら、政党政治の議会制民主主義ではない。(略)社会党は、自民党とだけは絶対に連立できないのである。自民党憲法改正を綱領とし、社会党は護憲を綱領とする。」
アメリカ合衆国は、社会契約による国である。(略)契約した主体(略)は、アメリカの人民である。すなわち、人民が相互に契約を結んで国をつくったのである。州と州とが契約を結んで国をつくったのではない。(略)アメリカ合衆国は、世界最初の社会契約でできた国である。」
「独立宣言の草案には、奴隷制廃止が書き込まれていた。が、南部諸州の反対があまりにもはげしく、奴隷制廃止をうたえば、「独立宣言」案は採択されないかもしれなかった。(略)奴隷制廃止に、独立宣言はふれないことにした。そのために、アメリカ民主主義は、死にいたる矛盾を背負い込むことになった。(略)建国の父ワシントンも奴隷を多数もっていた。(略)奴隷制こそ、アメリカ合衆国の原罪であった。(略)しかし、アメリカ人以外に、奴隷解放をめぐって、自由人たる白人が生命をかけて戦った国はない。」