思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『一冊でわかるイギリス史』小林照夫監修
☆☆☆★
河田書房新社

日本人によるイギリス通史。紀元前から、EU離脱まで記されている。
ただし、良くも悪くも、どちらかと言えば悪いほうに教科書的で、固有名詞と事件の解説が並んでいるだけで、血肉がない無味乾燥な記述。まあ、だいたい分かればいいのだが、みなもと太郎先生が漫画化してけれれば、数倍面白くなるのになぁ……と何度思ったか。
特にイギリスの王位継承と、それにまつわる争いのややこしさはたいへん。古代は北欧、中世はヨーロッパを巻き込んでいて、フランス王やスペイン王位を兼ねたり、日本人にはピンとこない。敢えて無理矢理日本で例えるなら、藤原氏天皇外戚・権力争いみたいな感じか?

「1066年(略)ノルマン人であるウィリアム1世イングランドを征服し(略)のフランス語由来の言葉が導入されました」

「1534年には「国王至上法」が制定され、イングランド教会は国王をトップ(首長)とすることが規定されました。ここに、現在まで続く「イングランド国教会(略)」が成立したのです。」

重商主義とは、経済の三要素である、モノを「つくる」「運ぶ」「消費する」のうち、「運ぶ」に焦点をあて(略)政策のこと」

「チャールズ1世は、1649年1月、ホワイトホール宮殿の前で公開処刑されました。
 これ以降、現在に至るまで、イギリス国王がウエストミンスター宮殿内の庶民院の議場に立ち入ることは許されていません。」
いま、気がついたが、これ、誰が許さないん
だろう? 国王より議会の方が高位ってことかなぁ……? でも、議会を無視する国王もいたりするからよく分からん。
そもそも、誤字脱字がちょこちょこあったり、著者が、主語の欠落ひ気付いてない可能性も高い。

イングランドから離反することによる経済的な損失や軍事的衝突の可能性、何より合邦によってもたらされる貿易の自由化の利益は、スコットランドにとって非常に魅力的(略)数ヶ月にわたる交渉の末に、1707年に」合邦法(略)」が成立し、(略)イングランドスコットランド、そしてウェールズからなるブリテン島(グレートブリテン島)が、イギリス史上初めて単一の国家によって統治されることになった」