2010-12-03 ■ 名前が「一」「二」などという、極限まで記号化された登場人物。誰が誰やら分からないという、人間が描かれていないミステリーの極致。トンデモトリックなど、清涼院流水『ジョーカー』や『カーニバル・イヴ』から言葉遊びを除けばこうなる、という感じの作品。 ひとことで言えばバカミスなのだが、館ものとしては忘れがたいトンデモトリックであるという意味に於いて、読んでおいても損はないかもしれない作品。『ギロチン城』殺人事件 (講談社ノベルス)北山 猛邦 講談社 2005-02