思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『成功学キャラ教授』
☆☆☆★

再読。良くも悪くも清涼院流水にしか書けない小説(大説)だろう。
作者のように数百とはいかないまでも、私いわゆるも成功本は数十冊は読んでいる者として、本作で紹介されている様々な成功法が、いろいろな本のエッセンスをピックアップしたものであることは間違いないと思う。もちろん本作は小説なので、ストーリーやプロットの部分があるため、濃縮、列挙という感じはないのだが。逆に、二人称表記による体験感のある文体や、キャラ教授やマンガ(作中ではアニメ)の必然性にも仕掛けがあるなど、エンターテイメント(広義のミステリー)としても及第点である。
成功法としての内容だが、作中にもあるように、そしてあとがきでも繰り返されているように、何度も再読して、身につけることこそが重要。ある意味、色々な成功法を読んだ人が実際に成功できるかどうかは、それをどこまで実践、継続できるかひとつににかかっているのでは?
ただし、今となっては、作者である清涼院流水じたいが本作の後、作家として落ち目になった(現在では、ほぼ「消えた作家」である)ことが、最大の問題点であろう。作家以外の道で大成功している、というのなら別だが……。

成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)
清涼院 流水 西島 大介

講談社 2006-11-01