思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『刻Y卵』東海洋士
☆☆☆★
講談社ノベルス

なんとも眩暈的な作品だ。『ドグラ・マグラ』的伝奇小説とでも分類すればいいのだろうか。
小説的完成度の差はバラバラだが、『視えずの魚』や『黒死館殺人事件』を読んだあとのような困惑を覚えること必至。小説としてのヘンな(下手さに感じる)部分すら、意味があってなされていたことは、竹本健治による完全ネタバレの詳細な解説で明かされている。これがあることで私のような不注意な読者も刻卵の呪いから解放されることができた(^_^;)ゞ

刻Y卵(こくあらん) (講談社ノベルス)刻Y卵(こくあらん) (講談社ノベルス)
東海 洋士

講談社 2001-03