思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

「データ通信で高速なのは、下りチャンネルだけです。(略)携帯電話端末はデータをダウンロードすることが多いので高速度が必要で、上り回線の速度はそれほど必要ないのが主な理由です。」
フェージング下では電波環境が瞬時に変化するので、HSDPAでは2ミリ秒という非常に短い間隔で適応処理を行っています。例えば通信品質が悪い場合は、変調方式を瞬時に16QAMからQPSKに変更したり、誤り訂正の冗長度を増やしたりします。携帯電話が人間の目に見えない電波環境に応じて方式を切り替えて、少しでも高速にデータを送受信しようとしているとは驚きます。」
それ自体にはそれほど驚かないが、わずか2ミリ秒というのには驚く。宇宙刑事ギャバンもびっくりだ。
「固定電話の場合は、発信電話番号を見て警察がその住所に駆けつけますが、携帯電話ではそれができません。そこで、携帯電話端末から110/118/119番へ緊急通報した時に、GPSで現在位置を測位し、警察・消防等へ自動的に通知するようにしました。」
後半の、いつの間にか組み込まれているシステムにも驚くが、前半にも注目だ。テレビなどでは119番などをした時に「そこはどこですか?」と聞かれて、動転してトンチンカンなことを答える映像がよく流れていたからだ。

携帯電話はなぜつながるのか 知っておきたいモバイル音声&データ通信の基礎知識携帯電話はなぜつながるのか 知っておきたいモバイル音声&データ通信の基礎知識
中嶋 信生/有田 武美

日経BP2007-07-05