小室直樹+渡部昇一
徳間書店
☆☆☆☆★
気鋭の保守論客ふたりの対談である。読まない手はない。
バブルの終わり/湾岸戦争後あたりに出たものなので、日本のカネをどのように使うか、そして国際連合やPKOの実態とはどんなものかを明かしてくれる部分は必読だ。後者ではPKOの正しい訳語は「平和維持活動」ではなく「平和維持(軍事)作戦」である、という指摘!いかに左翼的メディアばかりにしか接していない日本国民でも、湾岸戦争の作戦名が「オペレーション.デザートストーム」であったことは常識としてご存知だろう。
「小室氏:国際連盟は、ユニバーサルな機関なので軍事行動など起こしません。ところが、国際連合はそもそもが軍事同盟であるわけですから、国連軍を保持していて、軍事行動を起こすわけです。」
「小室氏:軍事同盟というのは、すべての加盟国が、対等であるというようなことなどありえない。(略)国連とはアメリカが主宰する軍事同盟であり、常任理事国とそうでない国とは天地ほどの開きがある」
「渡部氏:なぜ「生きて虜囚の辱めを受けず」ということになったかというと、それはシナ人と戦争をしたからです。シナは文明国ではないわけですから、物凄く残酷な方法で日本人の捕虜を殺したのです。(略)シナでは軍人の捕虜はもちろんのこと、民間人の邦人「捕虜」も、物凄く残酷な殺され方をしているわけです。」
自ら国を潰すのか 「平成の改革」その盲点を衝く 小室 直樹 渡部 昇一 徳間書店 1993-07 |