新書(一般向け)というより、研究論文みたい。
もちろん、タイトル通りの内容は書かれているのだが、史料の流れよりもどんな文献にどんな記述があるのか、という網羅的なものが多く、中盤以降は専門家以外には退屈な感じがする。
本書の内容そのものではないが、それから個人的にまとめると「大日如来の国→日出ずる国→日本=やまと=山戸←大和−和→倭→倭奴」のような関係になるのであろうか(「和」のみ井沢説)。
『古事記』には日本という記述がないこと、それに伴い国外の記述がないこと(『日本書紀』にはシナについて触れた部分がある)、そして古来はワという国とヤマト国の2つがあったのではないか、という指摘は興味深い。
「日本」とは何か (講談社現代新書) 神野志 隆光 講談社 2005-02-18 |