思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『激闘の日本史 幕末動乱と危機管理』井沢元彦
☆☆☆☆

このシリーズは、新刊を買うなりしないと、読んだかどうか分からなくなるのが困るなぁ……。
「今はイギリスの代表も国王というが、これはkingという英語を日本語に訳す際にこの言葉を用いてしまったためで、本来は別の訳語を採用すべきであった。東アジアにおいては、国王という言葉には中国皇帝の臣下であるという意味があるのだ。」
「一般に倭寇(日本人海賊)と呼ばれているものが(略)九割が中国人であったという事実も(略)いわゆる海賊行為に走る者もいたが、彼等の中には真面目な貿易業者もいた。しかし貿易自体が海禁政策によって犯罪にされてしまった。そこで彼等はやむなく当時まだ鎖国をしていなかった日本に本拠を移し、盛んに貿易を行ったのである。だが中国当局から見れば貿易そのものが犯罪なのだがら、彼等はすべて海賊ということになったのである。」

「日本以外の国は当たり前のように軍隊を持っているのだがら、国際人として生きていくためには軍事学の初歩の知識ぐらいは必要だ。」

「もちろん蒸気船の場合、鉄で被った本体に錆止め塗料を塗るから黒く見えるのだが、木造帆船でも腐るのを防ぐためにコールタール等を塗るので、やはり黒くは見える。」

ボストン茶会事件。(略)イギリス人がアメリカの住民に対して法外な値段で紅茶を売りつけた事件である。アメリカ人は当然ながらイギリス出身の人間が多かったが、この事件以来紅茶を飲むのをやめてコーヒーに切り替えた。」

「今、北朝鮮からミサイルが撃ち込まれ多くの日本人が死んだら、後世の人間はわれわれをどうおもうか。(略)「なぜ二十年近く前から北朝鮮がミサイルを作っているのはわかっていたのに、黒船が来るまで何もしなかった幕府のように、憲法改正すらしなかったの?国防軍を持たなきゃ国は守れないじゃない。そんな当たり前のことがどうしてわからなかったの?」」