思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

交響譚詩 1

「交響譚詩 1アレグロ・カプリッチオーソ」伊福部昭の芸術1─譚 tr.6

前回がセンチなチョイスだったので、5回目は真面目に純音楽。伊福部昭といえば映画ゴジラのテーマを代表とする特撮映画の作曲家として有名ですが、別に映画音楽家(そんな職業があるのかどうかは分かりませんが)というわけではありません。その真髄は、やはり純音楽を聴かなければ味わえないと言えましょう。

詳しい解説は小林淳『伊福部昭 映像と音楽の交響』に任せるとして、素人が聴いても充分その才能は感じられると思います。

なんといっても日本の交響曲管弦楽)とはこういうのを言うのだ、ともいうべき楽曲ではないでしょうか。日本らしいというだけなら他の作曲家でもいるでしょうが、ヤマトの音楽というか、原始的な荒々しさまで含めた、まさに土俗的な日本の風景を描く、という点においては伊福部昭の右に出る作曲家はいないのではないでしょうか。

この曲も、伊福部マーチ的なノリの良さ(俗な言い方ですが)をもちつつ、純音楽としての格調もある、伊福部純音楽の入門としては最適な1曲といえるでしょう。

譚 ― 伊福部昭の芸術1 初期管弦楽
日本フィルハーモニー交響楽団 伊福部昭 広上淳一

キングレコード 1995-11-22
売り上げランキング : 6,185
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools