思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ゴジラ 怪獣惑星』

☆☆☆★

悪くはないが、全体的に、画面が暗い。
地球がゴジラによって住めなくなり、恒星間宇宙船で旅立ったのに、地球に戻ってみると、1万年以上が経過し、地球はジャングルに。予告を見た時は、てっきり旅立った先にゴジラがいる、という設定だと思ったのに。
序盤では、怪獣たちが人類を追い出すに至る経緯が語られるが、これこそ1話を費やして描いて欲しかった。ゴジラに対して十発以上の核兵器北米大陸の真ん中で炸裂する。『ギャレゴジ』や『ガメラ3』に勝るとも劣らぬ絶望感満載の、傑作になっただろうに……。
ビジュアル的には、『シドニアの騎士』と同じ、白い宇宙服に、黒いキズ表現が鬱陶しい。同作は、マンガの白黒ページのアニメ的表現として受け入れられたが、本作では不自然。プラモではダメな例として挙げられる、白に黒で墨入れするのと似た悪例だろう。
キャラも、怒った時に眉間にシワが寄るのだが、それが何か歌舞伎のクマドリみたい(´Д`)(別に赤くはないけど)
メカも、ハードSFっぽい恒星間宇宙船、『スターウォーズ』のいわゆるツナ・シップ輸送艇みたいな降下艇など、なかなか良い。
ゴジラに挑む『ガンダム』のワッパか空飛ぶバイクみたいな飛行メカの兵士たちも、『機龍』二部作みたいな熱血。
肝心のゴジラは、代表がケロイド的サメ肌ではなく、黒曜石みたいな、アルミホイルをシワクチャにしたような質感なのがどうにも居心地悪かった。全体のフォルムはギャレゴジなんだけど。熱線は、シン・ゴジラのレーザーを短時間だけ吐ける。ネタバレだが、ラストに出てくる親ゴジラは、ギャオスみたいな、拡散超音波カッターを出せる。これはこれでアリかもしれないが、やはりゴジラアイデンティティであるぶっといやつを出して欲しかった(逆に、3部作のラストまで温存しているのかも)。
そもそも、現代の地球でも、別の惑星でもなく、実車特撮でも、手書きアニメでもない理由は、今のところよく分からない。あと2作は付き合うけどね。