思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ベイマックス


☆☆☆★

オリジナリティはないよね。ストーリーは、ほぼ『ターミネーター2』で、味方はDC映画か『パシフィック・リム2』(どっちが先だろう?)、『アイアンマン』に『スーパーマン』。敵は『スパイダーマン』や『ヴェノム』を合わせた感じ。未見だが、『アイアン・ジャイアント』の影響も大なのかも。
他の感想/解説で知ったが、本作は『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』なんかと同様、マイナーな原作のマーベル映画なのだそう。だから、本来ならタイトルも原作コミックと同じく『ビッグヒーロー6』になるべきなのだ。
基本的には、隙のない、完成度の高すぎる脚本とアクション、満載のオマージュで、大人が観てもなんら子供騙しには思えない。
ただき、本作の最大の問題点は、主人公が天才というか、超人過ぎるということ。ほとんど万能ナノマシンともいえるものを家のガレージで開発しちゃえるんだから。いくら15歳で大学レベルの頭脳だとはいえ、チートすぎるだろう。まあ、このへんはディズニーアニメってことで許容するしかない。ただ、これが魔法とか異世界からの友人じゃない、というのは感情移入を阻む要素。ところが、本作では主人公の天才性はおいといて、両親がおらず、唯一の肉親だった兄が死に、兄が残した健康管理ロボとの友情と教頭、という人生の不幸からの立ち直りの物語にして、万人の共感を得ることに成功している。戦闘用じゃないロボで戦う、という日本の有名作品もあったと思うが、出てこない(^^;)
ちなみに、そんなベイマックスに戦い方を覚えさせるところは、まんま『マトリックス』での小部屋でカンフー修行するシーンのオマージュ。
ただひとつどうしてもツッコミをいれたいのが、マイクロボットの動力源。合体や動作は電磁石でなんとかなるとしても、サイズからくる稼働時間の短さや、結合力の不足は、ハードSFとしてはいかんともしがたい。