思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

イレブン・ミニッツ


☆☆☆★

タイトルと、見慣れない国の映画、ということで録画したら、観る時にはどんな映画か全く分からない状態で観る結果になったシリーズ。
冒頭、いきなりスマートフォンで録録画した手ブレしまくりでアップのショットを次々に見せられ、これが100分も続くのはテレビ画面であっても酔うから辞めようかと思っていたら、それは5分くらいで終わったので助かった。
そこからは、次々に、登場人物とシーンが切り替わる。どうやら、一つの市内で、近い時間帯の人物模様なのか。最もインパクトがあるのは、ホテルで下心丸出しの映画プロデューサーが、女優を口説いてるシークエンスだが、他にも5から10くらいのストーリーが浦沢直樹的にカットバックで並行して進行する。
ひとつひとつの物語、なにせ登場人物に没入する前にシーンが切り替わるので、楽しむところまでは行けないのだが、映像じたいが凝っているので、割と途中で観るのを辞めたくならずに、最後まで興味は持続できる。
たとえば、アフロモヒカンの二階堂ふみみたいな女の子が散歩に連れている犬の主観ショットとがえるのだ。

以下ネタバレ

中盤くらいになれば、たいていの人はラストの予想がつくだろう。
出てくる当時人物たちが、一点というか、1つの場所に収束するのだ。あとは、それがいつ、どのようなシチュエーションであるのか、ということに絞られる。まるで、『一人ごっつ』で「〇〇まであと何秒」のよう。
で、ちょくちょく出てきた空の黒い点から、宇宙人の襲来だと思ったのに、なんと女優のビル落下を引き金に、下にあったものがドミノ倒し式に次々に被害になっていくので、これだけ大人数の視点が描かれていた、というオチ。