『ベスト・オブ・映画欠席裁判』町山智浩&柳下毅一郎
☆☆☆☆
文春文庫
宇多丸師匠のあとがきに全て書き尽くされているので、迷ったらそこを読んでほしい。漫才のようなバカ話の中に、映画史や業界のディープな情報、そして鋭い批評がちりばめられている。
そのへんの映画評論家ならぬ映画紹介屋とは違った映画情報が満載の一冊だ。
以下、2ヶ所とも町山氏
「評論家と称してタダで試写観てる以上、お金やヒマがなくて月に数本しか映画を観ることのできない一般人の代わりにゴミの山漁るのが仕事だろうってのよ。(略)すでにいい評判が伝わってる映画しか観ない先生野郎がほとんどなんだよな。」
「評論家の仕事は、まず作者が意図したことは何かを作者本人の言葉や資料を通して確認すること。その次に、作者の意図を超えた論を展開することなんだけど、その一番目の仕事をやらないで自分の感想だけ書いてる評論家がいかに多いか。」