『われらはレギオン(1) AI探査機集合体』デニス・E・テイラー著/金子浩訳
☆☆☆☆★
様々なSFのいいとこ取りをしたような、楽しいハードSF。『ディアスポラ』『ロボコップ』『みずは無間』の設定、『啓示空間』のスペースバトル、『2001年』『竜の卵』のファースト・コンタクト、など古今東西のSFの要素が詰まっているのだ。
それらが『火星の人』調のユーモアとポジション思考で語られるのだ。面白くないわけがない。
三部作のスタートらしいが、本作だけでも最近の冗長なSFなら三冊になってもおかしくないくらいのスピーディーかつ盛り沢山の要素。
本作ならではの読みどころを挙げるなら、『ターミナル・エクスペリメント』や『マン・プラス』などと共通する、主人公ボブが開始早々に死んで(!)シムクローン(作中ではそうは呼ばれていないが)として、数々のテストをクリアしつつ、成長してゆく展開の面白さ、だろう。
われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF) デニス・E・テイラー EVILVIT 早川書房 2018-04-04 |