思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ついてくるもの』
☆☆☆★

未読のような気がしたが、既読だったのかもしれない。


『夢の家』☆☆☆★
とある廃屋に入った者は、夜眠ると、ある女が現れ、一晩ずつジリジリと自分の家に招き入れようとする。まるで『ジョジョ』のスタンドのような話だ。

『ついてくるもの』☆☆☆
廃屋の雛人形を拾って帰ると、身近な人が次々に人形と同じく片目が潰れて死んでゆく。人形を捨ててもいつの間にか、また戻って来るのだ。戻って来る理由が合理的に説明されるのは本格ミステリチックだが、なぜ自分で燃やさないのかが読みながら心に引っ掛かってしまった。

ルームシェアの怪』☆☆★
家族でも、寮でもない、ルームシェアならではの他人との距離感をうまく使った佳作。ただし、本作における怖さの根本的な設定(肝試しに行った時に同居人が亡くなっていた事を忘れていた)に関しては「そんなことないやろ」と思った。


『祝儀絵』☆☆★
ミステリー的に言えば、「登場人物(そして多くの読者)が知らなかった情報が最後に明かされることでどんでん返しとする」タイプの作品。ホラーとしては正解だが、完全な「当人には何の責任もない、とばっちり/偶然」タイプの被害者が主人公。恋人がいるのに、許嫁を名乗る女が周囲の人にいいふらす、という妖怪系の、実害も少なめ。


『八幡藪知らず』☆☆☆★
〈如きもの〉シリーズの、入ってはならない山の原型と言える短編。主人公の子供のポストにメモを入れる、というのは、新人賞とかに応募すると、メモというのが日常的すぎて怖さが薄れるとか言われそうだし、その他、欠点も多い。


『裏の家の子供』☆☆☆★
オチも含めて、最も映像化されそうな設定。荒木飛呂彦が漫画化しても怖そうだ。本格ミステリ度は低い。


『椅子人の如き座るもの』☆☆☆
江戸川乱歩の『人間椅子』のオマージュというだけでなく、トリックも、同レベルのミステリー。本格度は低いが、変格ミステリーとしての乱歩度は高い。