思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『GHL(10)』
☆☆☆☆

GPシリーズ特集。
NAOKI氏の作品は、工作・カラーリング技術は凄いのに、墨入れ、ウェザリングが汚いのが難点。なんで黒(にしか見えない色)を使うかなあ…。色にはうるさい「モデルグラフィック」誌掲載ぶんだとそのへんは緩和されるのだが…。
スターウォーズのキットを使ってゴチャメカディテールアップしたデンドロも労作。
マックス渡辺の師弟対決シリーズはジオング。そうか…あの小田さんの作例ってそんなに凄いのか…。芸術は模倣(模写)から始める、ということが改めて分かるエピソードだ。

ガンダムホビーライフ 010 (電撃ムックシリーズ)ガンダムホビーライフ 010 (電撃ムックシリーズ)
電撃ホビーウェブ編集部

KADOKAWA 2017-02-15


『罪人よやすらかに眠れ』
☆☆☆★

北海道札幌の中島公園の近くにあるお屋敷、そこに弱った人間を引っ張り込んで、心の内に秘めた罪悪をホームズばりの小さな手掛かりから暴き立てる。
悪意をもって説明すれば、そんな短編集だ。
そもそも各話の主人公が館の前で(それぞれに理由はつけているが)具合が悪くなり、館で休んで行くように促す、というのが不自然極まりない。
不自然ついでに言えば、館の住人が美男美女ばかりなのも、ラノベっぽくてリアリティに欠ける。(容貌のバリエーションが多様だった昨日読んだ筒井康隆の登場人物とは対照的)
とは言え、悪意たっぷりの過去の謎のバリエーションの豊さはさすが。日常の謎的なものから、殺人事件まで幅広い。
とりあえず、本格ミステリとして読者が真相を推理するのはまず無理。変格ミステリーとして楽しむべきものであることは、作者のファンなら言わずもがなだろう。

罪人よやすらかに眠れ罪人よやすらかに眠れ
石持 浅海

KADOKAWA/角川書店 2015-12-02