思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『虚飾の経営者稲盛和夫
☆☆

表サイトには感想を書いていないものの、ブログ「思考の遊戯」をご覧の方は、私が(仕事の都合上)ビジネス本を読んでいることをご存知かもしれない。稲盛和夫に関する本もそのひとつ。賛辞メインの本を読むなら、否定派のものも読まざるをえないだろう。
本書は、著書と雑誌「週刊金曜日」の佐高信との対談が八割を占める。要するに稲盛氏とニューエイジなどの宗教性、自身の勉強会の偽善性などを指摘・糾弾したものだ。
問題は、現実に稲盛式で会社が大きくなったこと。そしてそれ以降入社した社員に、その経営/労働実態が情報開示されているかどうかであろう。それさえクリアされていれば、宗教だろうが、ヒトラーを信奉していようが、(思想信条の自由)憲法上は何の問題もない(仏教系はともかく、個人的にはニューエイジはどうかと思うが)。
いわゆるアメーバ経営、セル方式が、共産党の「細胞」と同じ意味であることや、稲盛式がソ連邦共産主義をモデルにしていることは指摘されるまで気がつかなかった。