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『これはペンです』
☆☆☆★

これまで読んだ中では、まだ読めるほうかな…。

『これはペンです』☆☆☆★

文章を自動生成する機械または方法を使って書かれた叔父からの手紙。それを受け取る姪の手記、という体裁なのだが、科学的あるいはSF的与太話である。
土屋賢二のエッセイを小説にしたらこんな感じになるのかもと思ったりもする。まず念頭に浮かんだのが『実験小説「ぬ」』。

『良い夜を持っている』☆☆☆★
これは英語タイトル『have　a　good　night』の直訳。とあるイディオ・サヴァン的超記憶を持つ父の生涯を回想したかたちの短編。序盤は物語的な進展がない／時間が止まった形の語りなので辛いが、終盤はなんとなく読み進められるようになってくる。

どちらの短編も、SF小説に言及があったり、科学的なテーマこそ出てくるものの、幻想小説／ミステリーと言っても過言ではない作品。
よくアンソロジーに出てくる欧米のユーモアSFには近い。