思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

タイトルからすると、何社もの復活エピソードが書き連ねてあるのかと思いきや、とある電柱がメインのコンクリート会社ただ1社だけ。
確かに社風をメインにした改革ということで、さまざまな抵抗や紆余曲折があり、それを丁寧に時間順に書いて行けばこれくらいのボリュームになるのだろうが…。歪んだ見方をすれば、このコンサルが他に復活させた会社がないんじゃない?と思いたくもなる。
内容的には『星野リゾートの事件簿』を細かく見ていったような感じ。
比べてみると、あっちでは細かい問題が見えにくいし、本書だとちょっと冗長だし、1冊につき3、4社くらいがベストなのかも。

「あることをルール化して実行したとする。ところが2割の人がそのルールを守らないために問題が起こってしまった。そのとき、よくあるのは、それを是正しようとして、全体に対してさらにルールを強化してしまう、というケースである。(略)これがエネルギーロスにつながるのである。本来ならば、少数の人が起こした問題は個別に対処すべきなのである。」

衰退産業・崖っぷち会社の起死回生衰退産業・崖っぷち会社の起死回生
遠藤 咲子

日本経済新聞出版社 2010-06-25