思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『萌えの研究』
ある程度こちら方面に理解のある、たとえば斎藤環とかじゃなく、普通のジャーナリスト(オウムとかの潜入体験取材を得意とする)が萌えについて調べるとどうなるか、というスタンスに共感が持てた。
一般人とはいえ、過去には綾波に首までハマったことがあるというから、素質は十二分にあるのだろう。
そんな著者が、ラノベエロゲー、マンガ、アニメと次々にアタックして行く。
面白かったのが、個人的にも殆ど知識がないエロゲーの章。これさえ読めば、ヘタな「美少女ゲームガイド」本とか読むよりもジャンルの概説と内容が分かるかもしれない。
逆にアニメの章は疲れてきたのか、ヤケクソ気味の記述と構成になっているのが残念。まあ、アニメについてはなんとなく分かるのでいいが…。
あとがきにあるように、こっち方面に詳しい評論家(って、誰かいるのか?)や、送り手(クリエイターやソフトメーカー)にインタビューするというアプローチも見たかった。


『萌えの研究』
☆☆☆★

『ここがおかしい外国人参政権井上薫
☆☆☆☆
文春新書

「蛇足判決理論の強みの一つは、その理論の完全さです。論理的に考えて、ある記述が主文を導く関係にあるかないかということは、白黒がはっきり区分されます。」

「税金を納めているから参政権くらい与えてもいいのではないかという主張(略)もし参政権と税金が対価の関係にあるようなことを考えると、事態はとんでもない方向に発展してしまいます。たとえば、貧しくて税金を納められない人から、選挙権を取り上げてしまえとなるでしょう。」