思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『シリコンとシリコーン
☆☆☆★
日刊工業新聞社

「シリコンは英語で書くとSiliconで、ケイ素(Si)という(略)元素を指します。
 一方、シリコーンは英語で書くとSiliconeであり、別名「ケイ素樹脂」、「シリコーン樹脂」と呼ばれる合成樹脂のことで、ケイ石の還元反応で得られる金属ケイ素に、さらに複雑な化学反応を加えて作られます。」

シリコーンゴムは燃焼しても、有毒なガスが出ません。それどころか、燃えるとシリカになって酸素を遮断し、燃えにくくなるのです。」

シリコーンは、無機と有機の特徴を持ったハイブリッド材料で、オイル、ゲル、ゴム、レジンなど形態はさまざまです。そして、多種多様な要求に応えるために、その製品数は5000品種を超えています。」

ほとんど、目に入るあらゆる製品に使われていると言っても過言ではない。それが
「地球全体で見ると、鉄、酸素に次いで三番目、また地球上の地表付近にある岩石などには酸素に次いで二番目に多く」存在する、というのが凄い。とはいえ、精製(還元)にはある程度以上の電力が必要なのだが。


『反動世代 日本の政治を取り戻す』森健×中野剛志、三橋貴明、柴山桂太、施光恒
☆☆☆☆
講談社

副題からすると政治がメインテーマっぽいが、メンバーはどちらかというと経済がメインフィールドである。
まえがきにあるように、森氏が4人別々にインタビューしたもの。
自著では触れられない個人情報(^_^;)や、思想的背景などが伺えるのが興味深い。
特に中野氏の経歴は面白かった。あとは名前だけ知っていた施氏が祖父が台湾人のクォーターだということ。

中野
「「日本は内向きだから外へ打って出ろ」みたいなことを言う人がいますが、そういう人にかぎって、外の世界に出たことがない。外に出たことがある自分の経験から言えば、「外に出てみろ、みんな内向きだから」と言いたい。」


「アジアの成長を取り込めという言葉の裏にあるのは、その国の需要を取りに行くということ。言い換えれば、その国が内需型経済をつくっていく試みを阻害する振る舞いです。これでは日本は尊敬されないでしょう。」