☆☆☆★
てっきり『陸軍中野学校』みたいな戦前の特務機関の話かとおもから、映画の照明に関するドキュメントだった(^^;)
日活で白黒時代から活躍し続けている、ベテラン照明マンの熊谷氏へのロングインタビューを基本とした映画。
実際の日活映画の映像も流しながら、オーディオコメンタリーのような、あるいは普通のテレビ番組のような内容である。
低予算なのかと思いきや、ナレーションを小泉今日子、インタビューには真田広之が登場したりと、けっこう豪華だったりする。小泉今日子のナレーションはうまいとは思えないのだが、熊谷氏の担当作品に、二人が主演したトレンディドラマ（？）があるので、そこから来ているようだ。
それはともかく、映画において照明がいかに大切なのか、ということが嫌というほどよくわかる。ヘタすると、１カットごとに画面の外のどこにもんなライトがセットされているのか考えて、内容が頭に入らなくなるかも(^^;)
屋外撮影で、遠景の団地にライトを当てに行くとか、白黒のほうが白や黒を飛ばせるとか、実に興味深い。白黒でも、格好いい画面、というのは緻密かつ、大胆な照明の労力の賜物だったのだ。
あとは、痩せてる人を綺麗に撮るのが難しいとかも興味深い。やはりシワを隠すのが難しいのか。
