『消費税は民意を問うべし』小室直樹
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ビジネス社
いつもの改題本かと思いきや、原本は竹下内閣の消費税導入の時に書かれたもので、野田内閣が消費税増税を目論んでいる現在、時宜を得た緊急復刊と言える。
まあ、内容的には『政治無知が日本を滅ぼす』に近いが…。
「税制に悪い処があるならば、全国民の面前で(略)徹底的の討論すべきである。全ての人の納得が行くまで。これしかない。
もし、そうしなかったらどうなる。
悪くなるの決まっている。いじればいじる程、増々悪くなる。それに決まっているのだ。
これも、政治学の大定理。例外はありっこない。」
「国民が「政治家とは、度し難いほど下等な動物である」と感ずる事は、デモクラシーが初等的ながら健全な発育をスタートした事の一つの徴候なのである。
政治家の不毛忍ぶべし。国民の政治音痴忍ぶべからず。」
「昭和16年4月1日。
「国民学校令」に因って、小学校や中学校を自由に作る事は許されなくなってしまった。(略)いや、てんで作れなくなった。(略)文部省を筆頭として、日本の教育が、ヒットラーに気触れてしまったからであった。(略)完全な国家統制である。(略)戦後もずっと。(略)日教組も、教育の完全国家統制を強力に支持している。(略)教育の国家統制。その弊害たるや、留まる処を知らない。(略)その理由は明白である。
公教育は(略)完全な国家統制にある為、競争原理が働かないからである。」
消費税は民意を問うべし 自主課税なき処にデモクラシーなし 小室直樹 ビジネス社 2012-03-23 |