思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『世に棲む日日(4)』読了

どうもこの高杉晋作という人には感情移入できない。
芸者遊びが好きだ、というのがその理由の第一かもしれないが、攘夷から開国という大転回を必要とされた長州藩の複雑な事情も関係しているかもしれない。
ヨーロッパ視察用の資金を(いくら藩の情勢の変化でそれが不可能になったからといっても)芸者遊びで使ってしまうなど、私生活の面ではまるでダメ人間。
この巻のラストの幕府軍との闘いでは驚異的な勝利を収めるのだが、そのあたりはあっさり流されているので、指揮者っぷりはよくわからない。
あとがきで書いてあるのは、司馬遼太郎じしんは吉田松陰よりも高杉晋作のほうに興味を持ったらしいのだが、私としては松陰のほうをもっとよく知りたかった。