和久峻三
☆☆☆★
角川文庫
量産作品〈赤かぶ検事〉シリーズの第１作となる短篇集。異名の由来となった赤かぶぶちまけ事件が描かれている(当然か)。
あの大御所・高木あき光が解説を書いているから、それを読めば、長所も短所も良く分かるだろう。
作品的には、『片眼のジャックを追え』の犯人の仕掛けたミスディレクションが面白かった。
ただ、本書に限らず、和久作品全体に共通した問題だが、トリックじたいは元弁護士らしい法律を駆使した意外なものなのだが、推理小説としての骨太さがないのが残念なんだよな…。
ま、それが量産作家として多くのサラリーマンに気軽に読まれているんだろうが。
