2007-06-22 『物狂い』読了 読書 土屋隆夫 ☆☆☆★ 光文社文庫 巨匠・土屋隆夫の本格ミステリー。80代も半ばにして島田荘司的本格ミステリー作品を書き続ける作者。 幽霊の殺人という、まさしく本格ミステリーだが、刑事たちがひとつひとつ証拠を固め、謎を解明していく物語は、『陰の告発』(長編第1作『天狗の面』は未読なのだ)となんら変わっていない。 ただ、端正であるが故に、いささか地味なのが惜しい。トリックが想像つきやすいのも残念。 とはいえ、職人が丹精込めて書き上げた本作、読んでも決して損はしない。 6/21〜6/22