思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『物狂い』読了

土屋隆夫
☆☆☆★
光文社文庫
巨匠・土屋隆夫本格ミステリー。80代も半ばにして島田荘司本格ミステリー作品を書き続ける作者。
幽霊の殺人という、まさしく本格ミステリーだが、刑事たちがひとつひとつ証拠を固め、謎を解明していく物語は、『陰の告発』(長編第1作『天狗の面』は未読なのだ)となんら変わっていない。
ただ、端正であるが故に、いささか地味なのが惜しい。トリックが想像つきやすいのも残念。
とはいえ、職人が丹精込めて書き上げた本作、読んでも決して損はしない。
6/21〜6/22