思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

映画分析入門

マイケル・ライアン+メリッサ・レノス著/田畑暁生
☆☆☆★
フィルムアート社

評論ではなく、それ以前の、映像に込められた製作者の意図、観客にどのように受け取らせるかを解説したもの。タイトル通り、映画評論している人が、どのような視点で映画を分析しているかを教えてくれる。
表面上のストーリーだけを追う、娯楽映画だけではないアート系映画を楽しむには格好の書。
具体的な場面写真が多いのが非常にありがたい。
ただ、著作権(というか引用許諾料?)の問題か、白黒時代の、いわば古い作品が多いのはちょっとだけ残念かな。画面からの読み取りのレッスンとしては問題ないのだが、やっぱり見たことある映画のほうがいいからね。自分が観た時に、そこに気がついたかどうかとか、記憶と比較できるし。
最後の章の評論では、ちょっと著者の意見が出すぎていて、逆に矛はいらなかったかも。