思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

少林寺木人拳


☆☆☆★

セリフが少ないとは聞いていたが、まさか口がきけない役とは。あとは、日本版主題歌が良い。オープニングはいいけど、本編の劇伴は京劇調なので、何回か挿入歌として流れる流れる時は、猛烈に浮いてるけどね(^^;) ただし、それよりも曲としてのパワーが優ってるので、これは良い意味でのバランスを崩してるパターンね。
ちなみに、オープニングが本編と直接関係ないのは、『笑拳』とかも同じパターンか。この時期というか、ジャッキー映画のスタイル?
親を殺されて少林寺に入るのは、後の『少林寺』を筆頭に、カンフー映画の定番だが、本作では、最初っから少林寺にはいるものの、過去を回想シーンとして後で出す、というパターンは珍しいかも。
洞窟の牢屋に鎖で繋がれている男に拳法を習う、というのは後に『魔界教主』がオマージュしてるのかな?
もう片方の尼僧のほうは、あからさまに本当に油の上でやっていないのがバレバレだけど(^^;)
後に少林寺の管長から奥義を習ったり、最初に酔拳を習ったりと、師匠が何人もいるので、メインテーマがブレてる感じになっているのが惜しい。
カンフーものとしては、ジャッキーのアクロバティックなアクションは、木人相手のシーンを筆頭に見どころではあるし、一つひとつと技のスピードは遅くないのだが、一撃一撃の間の間がワンテンポあるのは、やっぱり時代のせいでしょうがないか。
クライマックスは、『笑拳』とかと同じく、草原の中の草のない土の広場。これまた定番なのかなぁ。
師匠との一騎打ちは、主題歌がインスト、続いて歌ありと、否が応にも盛り上がる(^^;) この手の映画には珍しい、アクションとドラマツルギーが融合した名シーンだ。主人公のセリフがラストの1シーンしかないのに、というか、だからこそそれ以外でドラマを語る、秀逸な例なのかも。